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中村仏具店の想い

大阪の下町で生まれ育ち、小学校5年のとき、父が家業を継ぐため山口県に引越となり、僕は<仏壇屋のせがれ>になりました。<仏壇屋>この言葉の響きがあまり好きでなく、ただ単純に<人の死で儲かる仕事>そんな風にこの頃は思っておりました。

大学2年生の時、父が交通事故で亡くなりました。何度も何度も、家の仏壇に話しかけている自分がいました。父が亡くなってからは、母が父に代わって仏壇屋をやっておりました。正直、「なんでこの仕事・お店にこだわるの?」そう思っておりました。その後将来を決める時がきて、色んなことを考え、店を継ぐことに決めました。

店を継いで、1年ぐらい経ったころから、配達後におじいちゃんやおばあちゃんから手を合わせて感謝されることが幾度かありました。少しずつですが、母の継いだ意味が解ってきました。

2016年、東北震災の特集番組がありました。その中で【風の電話BOX】という存在を知りました、亡くなった方と残された家族をつなぐ電話BOX。衝撃を受けました。その中でアメリカ人の方のインタビューがあり「日本の文化には、こうゆう電話BOXみたいに仏壇で、故人と話せる場があるからいいわね」とありました。・・・本来ある仏壇の意味とは違うかもしれませんが。「これかぁ」と思いました。僅かですが、僕にも、ご家族を偲ぶお手伝いができれば・・・